来る8月6日、赤坂ビーフラットにて、
「西村健司ピースコンサート2022」
を開催します。
8月6日といえば、広島原爆の日。
広島出身の私にとっては特別な日です。
子どもの頃、夏休み真っただ中ではあるものの8月6日は登校日でした。
学校で映像資料を見たり、先生の話を聴いたり、いわゆる「平和学習」の時間を過ごした思い出があります。
8月6日に限らず、被爆者の方の公演を聴くことや平和記念資料館行くなど、
学校生活の中で平和に思いを馳せる時間は多かったように思います。
そんな環境の中、私は「ヒロシマの子」としての自覚を深めていきました。
戦後77年の年月を経ようとする今、当時の様子を知る人たちは少なくなっています。
一緒に暮らしていた祖父母も、もう亡くなってしまいました。
「もっと原爆の話を聞いておけばよかった」とずっと後悔していたのですが、
ここ最近になって、ようやくあることに気が付きました。
祖父母たちは、あの日のことを「話したくなかった」のではないか、と。
二人とも昔話は好きでしたが、8月6日のことはあまり口にしなかった気がします。
記憶の継承は、思った以上に難しかったのです。
でも、思いは受け継げるかもしれません。
今回このコンサートの開催のきっかけになったのは、2年前のライブ。
新型コロナウイルスの影響で、3月に企画していたライブが2度の延期を余儀なくされ、
ようやく開催の運びとなったのが8月6日でした。
この日「一本の鉛筆」をアレンジして演奏しました。
美空ひばりさんが平和を想い、1974年の広島平和音楽祭で歌った曲です。
アレンジをする時点から当日演奏するまで「自分がこの曲に向き合うこと」についてかなり悩みましたが、
他のバンドメンバーの尽力もあって、何とか形にすることが出来ました。
ジャズミュージシャンとして、平和について私にできることがある、と教えられた気がしました。
先日、ある有名なアーティストの方が、ご自身の歌の中で
「最近『平和』が霞んできた」というようなことをおっしゃっていました。
時間の経過とともに霞んできたのかも知れませんし、もしかして元々霞んでいたのかも知れません。
ただ、いずれにしても我々はいま「平和」について思いを致すタイミングに来ているようです。
その上で、8月6日という日は大切な意味を持つ日なのではないかと思うのです。
人によって平和への思いはさまざまです。
音楽のあるひとときを通じて、その思いを大切にする時間をつくりたい。
そんな思いで今回このコンサートを企画しました。
広島生まれで、だけど今は故郷を離れて暮らしていて、音楽を、トロンボーンを、ジャズを生業としている、
そんな私にできる演奏を精一杯やろうと思っています。
また当日はいつも一緒にやってくれている西村健司セクステットの面々も力を貸してくれます。
どうぞご期待ください。
とはいえ、平和や戦争や原爆のことに向き合うのはエネルギーの要ることです。
そうでなくても、真夏全開の8月6日は暑くてちょっぴり疲れてしまうのです。
当日はそんな疲れを癒せるような、ホッとできる夜にしたいと思っています。
どうぞお気軽にお越しください。
メンバー一同笑顔でお待ちしています。
8/6(土)
「西村健司ピースコンサート2022」
赤坂「B♭」
東京都港区赤坂6-6-4 赤坂栄ビルB1
03-5563-2563
http://bflat.biz/
open 18:30 / start 19:30
charge 一般¥3,000- / 学生¥2,000-
《出演》
「西村健司セクステット」
→tp河原真彩が体調不良のため出演できなくなりました。
代わってtp平手裕紀が出演します。
西村健司tb 平手裕紀tp 小笠原涼ts
武藤勇樹pf 長谷川慧人ba 大江航平dr